【税理士が解説】事業承継税制のメリットと適用期限
業績が好調な中小企業の経営者にとって、自社株の評価額高騰による事業承継時の税負担は大きな悩みです。
そこで活用したいのが事業承継税制です。
本記事では、この制度の仕組みと具体的なメリット、そして絶対に守るべき適用期限について、税理士の視点から解説します。
事業承継税制の仕組みと対象
事業承継税制とは、後継者が引き継ぐ自社株にかかる贈与税や相続税の支払いを猶予し、最終的に免除する国の制度です。
対象は認定を受けた中小企業者で、現在は特例措置により全株式が対象になるなど要件が大幅に緩和されています。
この制度により、後継者は相続税や贈与税を負担せずに、自社株を承継できます。適用にあたっては、経営革新等支援機関である税理士等のサポートが必要です。
事業承継税制を利用するメリット
事業承継税制を利用することで得られる主なメリットは次の4点です。
- 後継者の資金負担が大幅に軽減される
- 株式売却が不要になり、経営権を維持できる
- 株価が高くても、承継を断念せずに済む
- 承継による資金流出を抑え、財務基盤が安定する
それぞれについて内容を確認していきます。
後継者の資金負担が大幅に軽減される
本来支払うべき税金の納付が猶予されるため、後継者は個人の財産から納税資金を捻出する必要がなくなります。
株式売却が不要になり経営権を維持できる
納税資金を確保するために、自社株を第三者へ切り売りする必要がなくなるため、議決権の分散を防ぎ、安定した経営権を維持したまま承継できます。
株価が高くても承継を断念せずに済む
どれだけ自社株の評価額が高騰していても、税負担は猶予されるため、経営者は税金が払えないという理由で親族内承継を諦める必要がなくなります。ただし、あくまでも納税猶予であるため、適用する際は、評価の引き下げを検討します。
承継による資金流出を抑え財務基盤が安定する
会社から後継者への貸付や、配当による納税資金の確保が不要になるため、承継に伴う会社からの資金流出を抑え、財務基盤を健全に保つことができます。
適用期限と制度を利用する際の注意点
特例措置の利用には厳格な期限があります。
経営者は2027年9月30日までに特例承継計画を都道府県へ提出し、2027年12月31日までに承継を完了させなければなりません。
また、本制度はあくまで納税猶予です。
承継後も届出等の要件を満たせなくなると、利子税を含めた一括納付が必要になる点には注意が必要です。
まとめ
事業承継税制の特例措置は、後継者の税負担を実質ゼロにし、会社の資産を守るための強力な選択肢です。
手続きには期限があり、なおかつ複雑で専門的な知識を要するため、準備には時間がかかります。
自社の株価や将来の承継に不安がある場合は、期限ギリギリになって慌てないよう、早めに経営革新等支援機関である事業承継に強い税理士へ相談することをおすすめします。
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押田 吉真
Oshida Yoshimasa / 税理士
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日々刻々と変化し続ける日本の経済環境。
さまざまな制度も大きく変わりつつある中、企業は規模の大小を問わず変化を的確に捉え、時代の流れに迅速に対応してゆかなければなりません。
私たち税理士法人 押田会計事務所は、「自利利他」の理念のもと、それぞれの企業の継続的な発展と、お客様一人ひとりの将来への安心をトータルにサポートします。
- プロフィール
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- 昭和31年
- 小田原市生まれ
- 昭和63年
- 税理士登録
- 平成3年
- 横浜市にて 押田会計事務所開業
- 平成14年
- 税理士法人押田会計事務所設立 拠点:横浜事務所、小田原事務所
株式会社TMSコンサルティング設立
- 同年
- 医業経営コンサルタント登録
- 平成23年
- 押田吉真行政書士事務所開業
- 所属団体
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- 東京地方税理士会
- 特定非営利活動法人 税理士による公益活動サポートセンター
- TKC全国会
- 公益社団法人日本医業経営コンサルタント協会
- 一般社団法人 全国地域医業研究会
- 全国相続協会相続支援センター
事務所概要
Office Overview
| 事務所名 | 税理士法人押田会計事務所 横浜事務所 |
|---|---|
| 代表者 | 押田吉真 |
| 所在地 | 〒220-0005 神奈川県横浜市西区南幸2-19-4 折目ビル4階 |
| TEL/FAX | TEL:045-313-1546 / FAX:045-313-1547 |
| 営業時間 | 9:00~17:45 |
| 定休日 | 土日祝 |
